医療法人 美﨑会 国分中央病院

Primary doctor’s Blog

2022.9.20

第3回 ゴーサイ先生、日本の医療のジョーシキについて教えてください。

みんな誰もがずっと健康で、病気や病院とは無縁が望ましいはず。そんな”病院いらず”の健康をどのようにつくるか?医療法人美﨑会・国分中央病院の理事長/藤﨑剛斎(ゴーサイ)が、一人の医師として本音で健康を語るブログ。元職員の株式会社シナプス代表/たけうちが聞き手として、お話をうかがいます。

※このブログはあくまで、ゴーサイ先生の個人的な意見と経験に基づき構成されるものです。個別の疾病や治療方法について、必ずしもその医学的な正確性や妥当性を保証するものではありません。

■医療の常識?

― 前回は薬の話が中心でした。あと医療関係者の薬に対する考え方とかも。ところで医療については、日本の常識と海外の常識に違いがあったりするんですかね?薬の出し方とか。

ゴーサイ先生 あんまり知らない。海外と言ってもいろいろな国で事情は違うだろうけど、日本の国民皆保険制度の違いは大きいだろうね。例えば薬も、ドラッグストアで比較的自由に買えたりとか。自分で調べたらいいよ。

(いやいや、そこは教えてもらわないとですね…)

日本は、医療となるとお金を掛けたがるよね。例えば出産とかも、イギリスとかは産んですぐに病院から出てくる。日本と違う。日本は時間が掛かって、その分お金も掛かる。

― 国や場所によって違うものなんですね。どこであっても、ゴールは健康ですが。

ゴーサイ先生 健康は、言ってしまえば「食事」と「運動」。ただしこれだけだと、第1回で話したメンタル面の健康の説明が簡単ではない。医療の理屈だと例えば、朝起きて日光を浴びながら30分散歩をすると、脳内からセロトニンという多幸感を味わえる物質が分泌されて、幸福ホルモンがどうこう…だから良い気分に!というのもある。でもそうなのか?と。ただ事実として、運動をしたら清々しい気持ちになるけどね。肉体面でのセロトニン・ドーパミンが関係するんだろうね。肉体の健康とメンタルの健康はお互いに関係している。肉体の健康については、重要度合いの8割は食事だと思う、運動は2割。どんなに運動をがんばって体を鍛えても、食事を間違ったらだめ。例えば相撲取りは、あんなアスリートでも健康の維持管理は難しい。体を鍛え上げた一流のスポーツ選手でも、引退して運動量が一般並みになったら、これも健康の維持管理が途端に難しくなる。一般人含めて、食事の管理が一番大切。

― ゴーサイ先生は、ご自身の実体験もあったんですよね?食生活も、ご自身で管理してますよね。

ゴーサイ先生 そう、自分の病気をきっかけにね。でも最初は薬を使ってたよ。その当時の医療のガイドラインというか、常識に則って薬を使っていた。でも、それだけではなかなか100点の状態にならなかった、自分の実感として。そんなときに、食事に着目した。それから7、8年かけて、なんとか自分に合うかたちを見出してきた。けっこうかかった。食生活は毎日のことなので、なかなか変えられなかった。特に糖質・炭水化物の管理。

子どもの頃からずっと学校でも家でも食べてきた。学校給食ではうどんとパンと牛乳、とどめに黄色い桃の缶詰とかね。牛乳も乳糖という炭水化物が含まれているので、飲んだら血糖値が上がるよ。全部糖質で、体が慣らされている。昔のNHKの子ども向け番組、ロンパールーム覚えてる?

(いや、ぜんぜん覚えていないです…)

ロンパールームで、ごほうびにおいしそうな炭水化物のおやつが出るとかね。もう糖質だらけの時代だった。それが当たり前の食生活だった。そりゃもう疑わないよね、信じ切ってた。食事の全カロリーの6から7割は、炭水化物で取りましょうと。でも自分はいま1から2割くらいにしている。7、8年掛かったけど。食事は本当に大きいよ。医療は進歩するし、時代時代で考え方も変わっていく。ジョーシキは変わっていくものだと思わないとね。