医療法人 美﨑会 国分中央病院

Primary doctor’s Blog

2023.4.12

第5回 ゴーサイ先生、動脈硬化について教えてください。

みんな誰もがずっと健康で、病気や病院とは無縁が望ましいはず。そんな”病院いらず”の健康をどのようにつくるか?医療法人美﨑会・国分中央病院の理事長/藤﨑剛斎(ゴーサイ)が、一人の医師として本音で健康を語るブログ。元職員の株式会社シナプス代表/たけうちが聞き手として、お話をうかがいます。

※このブログはあくまで、ゴーサイ先生の個人的な意見と経験に基づき構成されるものです。個別の疾病や治療方法について、必ずしもその医学的な正確性や妥当性を保証するものではありません。

■動脈硬化、中性脂肪・糖質?

― 動脈硬化って、そもそもどんなものなんでしょう?いろんな重い病気の原因になる…。

ゴーサイ先生 簡単にいうと、動脈という血管の柔軟性。脂肪が血管の壁にひっつくと柔軟性が下がる。また血管の内側が細くなる。動脈硬化につながる血管への悪影響ということでは、血管に傷をつけるブドウ糖スパイク。あと血圧かな。血管に負担を掛けるので。体の恒常性という観点では、血圧の上下も変化だし。

ただ薬に頼らずに動脈硬化を防ぎ管理しようとすれば血糖値、糖質だね。糖質の管理で、ブドウ糖スパイクを抑制すると同時に、中性脂肪を減らすことができる。

― またまた糖質の話に戻ってきましたよ。

ゴーサイ先生 みんな勘違いしてるんだけど、例えば“とんかつ“とか”チーズ“とかを食べて中性脂肪が増える…とか、そんなことはないよ。もちろん脂分の摂取もあるけど、中性脂肪の主な原因は、体内で消費しきれない余った糖質が変化して、中性脂肪として蓄積されることにある。だから甘いものを食べ過ぎると中性脂肪が増えて、つまりは太る、肥満。ここのあたりの知識は、生理学、生化学、医化学といった分野の医者の基礎。もう、自分の体でも実験してるしね!脂はバンバンとっても糖質は制限。血液検査の中性脂肪はいつも低い!おじいちゃん、おばあちゃんを見ていても実感するね。肉を食べているご高齢の方は元気だ。

あ、ビールや日本酒は要注意、最悪。砂糖の多いジュースもね。糖質の入った液体なので、固形分に比べてすぐに体に吸収される。なのでブドウ糖スパイクが起きやすい。一番良くない。

― ブドウ糖スパイクと、人それぞれの体質って、なにか関係はありますかね?

ゴーサイ先生 どうかな。生まれ持った体質、耐糖能(食事などで上昇した血糖値を正常に戻したり、または血糖値を正常に保つ、糖を処理する能力をいいます。耐糖能にはすい臓から分泌されるインスリンが重要な役割を担っています。このインスリンに問題が生じたものが糖尿病です。)もあるかもしれないけど、あくまで大きいのは「摂った糖質の量」だね。だって人類はそもそも、糖質なんてほとんど必要としていなかった。大昔の食事は狩猟でしょ。野生動物とか魚とか、まあ木の実とか。農業とかお米なんて、人類の歴史で見れば、ごく最近のこと。糖質は、ヒトの体に必須とは言い切れない。でも一番厄介なのは、お米は美味しい!ついつい食べたくなってしまう。この欲望は大きくて、なかなか抗えなくて困るよね。