第1回 ゴーサイ先生、そもそも健康ってなんですかね?
みんな誰もがずっと健康で、病気や病院とは無縁が望ましいはず。そんな”病院いらず”の健康をどのようにつくるか?医療法人美﨑会・国分中央病院の理事長/藤﨑剛斎(ゴーサイ)が、一人の医師として本音で健康を語るブログ。元職員の株式会社シナプス代表/たけうちが聞き手として、お話をうかがいます。
※このブログはあくまで、ゴーサイ先生の個人的な意見と経験に基づき構成されるものです。個別の疾病や治療方法について、必ずしもその医学的な正確性や妥当性を保証するものではありません。
■そもそも健康ってなに?
― ゴーサイ先生、そもそも健康ってなんですかね?
ゴーサイ先生 ええっ?そんなことは広辞苑で引いてみたら。あとWHO(世界保健機構)もちゃんと決めてるんちゃう?それが一番わかりやすい。
(いやいや、それを言ったらこのブログの意味が…)
個人的な考えだけど、まずは基本的に、健康とは身体だけではないよね。身体と精神がともにストレスなく日々楽しく過ごせる、客観的に他人から見ても、肌艶よくきれいに見られる。そういった、肉体だけではなく、精神的な充実、日々の生活の充実もないと。だから、健康診断だけでは分からないよね。
※補足 WHO(世界保健機構)の定義する健康
― なるほど。健康って身体だけではなく、けっこう幅広い捉え方なんですね。国分中央病院では高齢者向けの施設として、サービス付き高齢者向け住宅や通所訪問サービスも運営していますよね。高齢者の方の健康って、どうなんですかね?
ゴーサイ先生 健康って、子どもも大人も高齢者も同じ。
(でも、年をとればとるほど、筋肉は衰えてくるし、できることは減ってくるし…)
そう。だからこそ、身体だけではなく、精神面と日々の生活の視点が重要。高齢者ご自身が、今の自分の状態に満足しているか?日々が楽しいか?という。例えば高齢者の薬。薬をたくさん飲んでいて、それは健康?子どもは薬を(そんなに)飲まないでしょ?病院にも行かない。高齢者も極力、薬を減らす治療を考えたいよね。薬で健康を維持するのではなく、薬をなくしていく、それが理想の健康。医師も患者さんご自身も、継続的な工夫と努力が必要だけどね。
■薬と生活習慣と糖質
― 確かにそれはうれしいです!たくさんの薬を飲んでいて、それで健康ですというのもちょっと…。
ゴーサイ先生 あくまで”おれ”的にはね。でも簡単じゃないよ。いろんな患者さんの状況や考え方があるし、ドクターそれぞれの経験や方針もある。内分泌疾患とか難病とか、いろんな病気があるし。ただ生活習慣に基づく病気にはね、薬中心の治療以外の工夫の余地はあると思う。糖尿病、コレステロール異常、中性脂肪が高い、血圧が高いとか。生活習慣に起因する病気は、やっぱり生活習慣で治さないと、薬ありきではなく…と自分は思う。竹内くんも自分で経験したでしょ?自分も降圧剤を止めたよね。
― はい、そうですそうです。たまたまあるクリニックで高血圧を指摘されて、降圧剤とコレステロールを下げる薬を処方されました。一生この薬を飲むんだよと。そのあとゴーサイ先生の指導で生活習慣を見直して、服薬を止めました。あれから2年くらいですが、血圧は高くても130ちょっと。体重も減ったまま維持されて、ほぼ標準です。
ゴーサイ先生 そうでしょ。糖質の管理を教えた。糖質を管理すれば、血圧も体重もコントロールできる。これから年を取っていくと基礎代謝が減るので、その分さらに糖質制限が必要になる。特に肥満の方には100%言っています、炭水化物を減らしましょうと。もう、肉と塩だけでいいっ!あっ、あとは水だけ!ふふふ。
(もう、そんな極端な…)
― ところで何かで聞いたのですが、年を取ったらちょっと太めの方が長生きするという話もあった記憶があるのですが、どうなんでしょう?
ゴーサイ先生 ああ。でもそんな話、どっから聞いた?科学的に医学的に、どうやって証明したんだろうね、難しそうだけど。ちょっと太め、まあ小太りとして、それはそれで体の中に脂肪が余ってるんだよね。小太りな人とスリムな人、10年20年30年と調べていけば、スリムな人のほうが健康に生活できているはず。まあ極端な例だけど、相撲取り、力士。あんな鍛え上げたアスリートでも、引退後に透析が必要になってしまう人も多い。きっと糖尿病ね。やっぱり脂肪があるしね。
まあいずれにしても、生活習慣に起因する病気は、薬ではなく、生活習慣で根本的に治していこう。これだね。